ファンクショナルトレーニングとは
ヒトの骨格・筋肉・神経は、とてつもなく長い年月を経て地球環境に適応した機能を獲得しました。それを進化と呼んでも良いでしょう。
2本の脚で立ち、2本の腕で作業し、重い頭を身体のテッペン乗せた不安定なこの姿・形・・・それが現在の繁栄をもたらすための必然だったのです。
地球上で育まれる全ての生命は、平等に重力の影響を受けながら一生を終えます。生まれてから死ぬまで、目に見えぬ重力と戦い続けるのです。
重力に負けた瞬間、その場で身動きが取れなくなり動けなくなってしまいます。当然、その先に待ち構えているのは・・・死・・・あるのみです。
つまり、私たちが人生を快適に過ごしたいのであれば、この重力に対して抗うのではなく、最小限の影響にとどめ効率的に利用する術を身につけるべきだと思いませんか?
せっかく他の生命より優れた”知恵”を授かったのだから・・・
まず手始めに、正しい姿勢で「地面に真っ直ぐに立つ」ことから始めて行きましょう。たったそれだけで腰痛や肩こりから解放されます。
さらに、重心を正しく移動させて歩いたり走ったりする練習を行ってみましょう。時にはホップして水たまりをかっこよく飛び越えてみたりして!
重力に打ち勝ち、動きやすい身体を手に入れるためのキーワードは、1.自重を操る筋力、2.重心移動の動作、3.軸とバランスの3つであると著名なスポーツトレーナーも提唱しています。
さらにスポーツ選手に留まらず、すべての人に必要とされている体力要素とは
- 心肺持久力(エンデュランス)
- スピード持久力
- 筋力(ストレングス)
- 爆発的筋力(パワー)
- スピード
- 敏捷性(アジリティ)
- 柔軟性
- バランス
の8種類であるといわれています。
これらの体力要素をバランス良く鍛える事で、重力に打ち勝ちスムーズに動かせる身体を手に入れることができるのです。
フィットネスジムへ通って、筋力や心肺持久力のトレーニングを行い、「体脂肪を減らす」事に必死になるのも大切です。
しかし現代社会においてはそれ以上に、”機能的な正しい動きができる”こと、すなわち「日常生活動作を効率的に行なえること」に直結したトレーニングが必要不可欠なのです。
正しい身体の動かし方を理解し、意図的に動きを作る。日常生活≦スポーツ。
いつでも、どこでも、誰にでも獲得できるスキル、それが当院の目指すファンクショナルトレーニングです。
当院は、NPO法人JFTA日本ファンクショナルトレーニング協会に所属し、現場での実践的な指導・評価を行う事が出来るCPS(Certified Performance Specialist)の認定を受けています。
正しい身体の動かし方とは?
どのエクササイズを行う時も気をつけなければならないのは、“身体を動かす順番”です。スムーズな身体の動きは「筋肉が中心から末端に連動する」ことで達成されます。
ジムなどのトレーニングマシンを使った筋力トレーニングを行うと、動作がギクシャクすることがありますよね。通常のマシントレーニングは、筋肉を個別に鍛えることのみを目的としています。すべての筋肉を正しく連動させる練習が伴わなければ、筋肉が同時に働いてしまい、ぎこちない動作につながりかねません。
さらに、この正しい筋肉の連動が行われないまま激しい運動をすると「肉離れ」などの故障を引き起こします。これは中心より先に末端の筋肉が収縮することが主な原因です。
また、全身を効率よくスムーズに動かすためには、“固定する関節”と“動かす関節”の役割を理解し利用できなければなりません。ここでは固定させる関節を「スタビリティジョイント」、動かす関節を「モビリティジョイント」と呼び区別します。
JOINT BY JOINT CONCEPT : GRAY COOK
関節の場所 →役割
足 部 → スタビリティジョイント
足関節 → モビリティジョイント
膝関節 → スタビリティジョイント
股関節 → モビリティジョイント
仙腸関節・腰椎 → スタビリティジョイント
肩甲胸郭関節 → スタビリティジョイント
胸 椎 → モビリティジョイント
肩甲上腕関節 → モビリティジョイント
肘関節 → スタビリティジョイント
手関節 → モビリティジョイント
頚 椎 → スタビリティジョイント
例えばゴルフを行うとき、「腰から身体をひねるように」と指導するコーチもいますが、腰椎はスタビリティジョイントです。解剖学的に腰椎の回旋できる角度は右回旋5°左回旋5°程度なので、腰椎を過剰に捻ってしまうと捻挫を起こしてしまいます。
回旋が得意なのは胸椎です。胸椎はモビリティジョイントで左右35°まで動きます。ですから正しい動きとは、骨盤(仙腸関節)・腰椎を正しい位置で固定し支点として、モビリティジョイントである胸椎や股関節を動かすことで体幹の捻じりを生み出します。
身体動作において正しい筋肉の連動と関節のモビリティとスタビリティを区別することは、身体をスムーズにかつ怪我のないように動かすための重要なポイントであり、不意な動作であっても反射的に行なわれなければならないのです。
大きく重い筋肉は必要ですか?
普通の車のエンジンを大きくするとどうなるでしょう?排気量が増えパワーも向上してより速く走れるようになるでしょうか?
いえいえ、車体重量は増えフレームは強度が不足して、タイヤはパワーに耐えきれず、燃費は下がりまともに走れたもんじゃありません。
筋肉を大きく肥大させることは、パフォーマンスを向上させる上でとても重要です。しかし、運動を行う上では重りになってしまうという事も理解していただきたいのです。
特に末端にある筋肉が重たくなってしまうと身体をシャープに動かすことが出来なくなります。
音楽の授業に使うメトロノームを想像してください。重りを先につけるほどメトロノームの動きはゆっくりとなります。
動物で言うとウサギとカメですね。ウサギは人で言うところの太ももの部分がものすごく発達していて、つま先からかかとまでは細く長く伸びており瞬発的な力を繰り返し発揮できる構造になっています。
対してカメは前足が太く強く発達しており思い甲羅を支えながら身体を力強く引きずる赤ちゃんのはいはいのような動作きができる構造をしています。
どちらが陸上での移動を得意としているかはもうお解かりですよね。“継続は力なり”の教訓は別として・・・
運動を行う上で有利な身体は「中心が太く、末端に行くにしたがって細くなっていく身体」です。これを“運動台形”といいます。もし貴方が動きやすく快適な身体を手に入れたいなら「運動台形の身体」を手に入れるべく筋力強化を行うとよいのです。
スポーツにおいて筋肉の果たすべき役割とは、極論をいうと、
「maximum strength(筋力は最大限に)minimum hypertrophy(筋肥大は最小限に)」
これが理想なのです。
効かせるトレーニングは重要?
トレーニングを行う際に、使っている筋肉を“意識して”とか“効かして”という言葉をよく耳にします。筋肉を意識するということは言い換えるならば“力んでください”と言っているようなものです。
スポーツでは力む事は良い事ではありません。力むという事は疲れやすく、スムーズに動けないという事なのです。
トレーニングで“意識する”癖をつけると運動中にも“力み癖”がつきやすくなるので注意が必要です。また、“効かす”という事は効率の悪い動き、不自然な動きを行うという事にもつながります。
太ももの筋肉に“効かす”最適なトレーニングは「レッグエクステンション」と呼ばれるもので、椅子に座った状態で足の先端に負荷をかけ膝の屈曲、伸展を行う運動です。しかしこれはスポーツや日常生活においてあり得ない不自然な動作だという事に気付いているでしょうか?
このような実際の運動では起こらないような動きのトレーニングだけを行うということは、スポーツにとってはマイナス面もあり日常動作の向上においても決して効率が良いものではないとの認識をもつべきなのです。
時代は“意識する”“効かす”筋トレから、“無意識の””正しい動作”をめざすの筋トレに変わっていくべきだと考えるのです。
最初にも述べましたが、トレーニングを行う上で重要なポイントは「自重を操る筋力」「重心移動の動作」「軸とバランス」の3つの調和であり全てのアスリートのみならず一般の方の運動能力向上にも必要不可欠な要素なのです。
自重を操るには
日常生活やスポーツでは常に重力がかかっています。あなたの体重が60kgならば60kgの重さを自在に操らなければならないという事を認識すべきです。フィットネスクラブではウエイトマシンを使うことが多いのですが、まずは重りをなくして自分の体重を使ったトレーニングを行う事が、動ける身体への近道だと言えます。
重心移動をスムーズに行うには
スポーツ、日常生活の動きは簡単に言うと「重心を移動させる」ことです。
ヒトの骨格は4kgの頭を身体の頂上に配置しています。この頭をどのように移動させるかが日常動作、しいてはスポーツにおいて重要な課題となります。
ヒトの正しい重心点はくるぶしの少し前にあります。この位置に重心を持っていくように姿勢を制御することで、地面反力を最大限にもらうことが出来るのです。
もし自分の筋力を最大限に使いたいなら、重心を「地面反力を最大限に貰える位置」に移動させる技術が必要なのです。そうすると地球からの「重力の恩恵」を授かることが出来ます。
バランスを取るには
通常ジムで行われているトレーニングは両手、両足が揃った安定した状態で行うものがほとんどです。これを「バイラテラルエクササイズ」とい呼びます。
それに対してスポーツや日常動作のほとんどは片手、片足で行われます。片手片足の不安定な状態で行うエクササイズを「ユニラテラルエクササイズ」と呼びます。
バイラテラルエクササイズばかりを行うと、逆に運動が出来なくなることがあります。
これを「両側性機能障害」と言います。
ユニラテラルエクササイズは片手、片足で行う為、バランスをとる必要があります。
スポーツや日常動作はこのバランスが重要になってきますので、バイラテラルエクササイズばかりでなくユニラテラルエクササイズにて修正する必要があるのです。
ファンクショナルを目的とした理想的なトレーニングとは?
トレーニングの原理・原則に基づく、動きをベースとしたトレーニングです。
人間本来の正しい動きを求めながらトレーニングを行うことで、身体の不調を改善しながら確実なトレーニング効果を得ることが出来ます。
トレーニングの原則
- 全面性の原則
- 特異性の原則
- 個別性の原則
- 斬新性の原則
etc…
JFTAが行うファンクショナルトレーニングの特徴
①トレーニングの原則に基づく
トレーニングの原則に基づいたトレーニングは、トレーニング効果を最大限に引き出す事が可能です。
②トレーニングの後、正しい姿勢になり身体が軽くなる
重心と筋肉の連動を意識するトレーニングは、トレーニング終了後、身体のバランスが整い、身体が軽く感じられます。
③最初に身体を正しく動かすドリル(Movement)を行う
身体が正しく動かない状態でトレーニングを行うと、トレーニングで追い込めず、、また身体のバランスが悪くなる事があります。 準備運動として、身体を正しく動かすMovementエクササイズを行うことにより、トレーニングの内容をより充実させる事が出来ます。
④全ての体力要素をトレーニングします。
ファンクショナルトレーニングは、生活やスポーツに必要な全ての体力要素を鍛えます。
- 筋力
- パワー(力×速さ)
- スピード
- アジリティ
- 持久力
- 柔軟性
※さんわ全身調整では、患者様個々の状態に必要なエクササイズをファンクショナルトレーニングでの指導要領に則った運動処方で1ポイントづつ指導しています。
パーソナルトレーニングとしてファンクショナルトレーニングをご希望の場合は別途ご相談ください。
まず2回のお試しで、お身体の状態を知り改善の一歩を踏み出してください!
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- 施術の品質を保つため1日2名様限定です。
- 事前のご予約が必要となります。
- 3回目の施術より通常の7,700円(税込み)となります。
- 保険治療との併用はできません。